2015/09/22 平成8年 問11 危険負担
宅建過去問 平成8年(1996年) 問11
権利関係 「危険負担」
権利関係 「危険負担」
AがBに対し、A所有の建物を売り渡し、所有権移転登記を行ったが、まだ建物の引渡しはしていない場合で、代金の支払いと引換えに建物を引き渡す旨の約定があるときに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
◆1
代金の支払い及び建物の引渡し前に、その建物が地震によって全壊したときは、Aは、Bに対して代金の支払いを請求することはできない。◆2
代金の支払い及び建物の引渡し前に、その建物の一部が地震によって損壊したときは、Aは、代金の額から損壊部分に見合う金額を減額した額であれば、Bに対して請求することができる。◆3
Aが自己の費用で建物の内装改修工事を行って引き渡すと約束していた場合で、当該工事着手前に建物が地震で全壊したときは、Aは、内装改修工事費相当額をBに対して償還しなければならない。◆4
Bが代金の支払いを終え、建物の引渡しを求めたのにAが応じないでいる場合でも、建物が地震で全壊したときは、Bは、契約を解除して代金の返還を請求することができない。-----【解答&解説】-----
◆1
代金の支払い及び建物の引渡し前に、その建物が地震によって全壊したときは、Aは、Bに対して代金の支払いを請求することはできない。解答:×(誤り)
・買主Bは、自分の所有物を地震で失ったに過ぎないので、代金を全額支払う必要がある。売買契約の時点で所有権は移転している。
◆2
代金の支払い及び建物の引渡し前に、その建物の一部が地震によって損壊したときは、Aは、代金の額から損壊部分に見合う金額を減額した額であれば、Bに対して請求することができる。解答:×(誤り)
・建物が全壊しても、一部損壊でも同じで、請求代金を減額する必要はない。売買契約の時点で所有権は移転しているので、売主Aは全額を請求できる。
◆3
Aが自己の費用で建物の内装改修工事を行って引き渡すと約束していた場合で、当該工事着手前に建物が地震で全壊したときは、Aは、内装改修工事費相当額をBに対して償還しなければならない。解答:○(正しい)
・今回のような「サービスつきの条件」で契約した場合は、相当額を返却する必要がある。
◆4
Bが代金の支払いを終え、建物の引渡しを求めたのにAが応じないでいる場合でも、建物が地震で全壊したときは、Bは、契約を解除して代金の返還を請求することができない。解答:×(誤り)
・建物の引渡しが、売主Aの原因で遅滞しているときに、天災(地震、台風)などで建物に損害があった場合、Aの責任とみなされる。買主Bは、契約を解除して代金の返還を請求することができる。
登録カテゴリー: 民法:危険負担
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