宅建過去問 平成22年(2010年) 問3
権利関係 「時効:取得時効」
所有権及びそれ以外の財産権の取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
◆1
土地の賃借権は、物権ではなく、契約に基づく債権であるので、土地の継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在したとしても、時効によって取得することはできない。
◆2
自己の所有と信じて占有している土地の一部に、隣接する他人の土地の筆の一部が含まれていても、他の要件を満たせば、当該他人の土地の一部の所有権を時効によって取得することができる。
◆3
時効期間は、時効の基礎たる事実が開始された時を起算点としなければならず、時効援用者において起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。
◆4
通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
-----【解答&解説】-----
◆1
土地の賃借権は、物権ではなく、契約に基づく債権であるので、土地の継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在したとしても、時効によって取得することはできない。
解答:×(誤り)・賃貸借も、要件を満たせば時効によって取得可能。◆2
自己の所有と信じて占有している土地の一部に、隣接する他人の土地の筆の一部が含まれていても、他の要件を満たせば、当該他人の土地の一部の所有権を時効によって取得することができる。
解答:○(正しい)・隣接する他人の土地の一部も、時効で取得可能。◆3
時効期間は、時効の基礎たる事実が開始された時を起算点としなければならず、時効援用者において起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。
解答:○(正しい)・時効期間は、起算日(土地を占有し始めた日)から数えられる。 時効完成の時期を「早めたり、遅らせたりする」ことはできない。◆4
通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
解答:○(正しい)・時効取得できるのは所有権だけではなく、「地上権」や「地役権」なども、時効によって取得ができる。-----【時効の出題傾向】-----
過去に出題された同じ種類の問題
平成25年 「なし」
平成24年 「なし」
平成23年 「なし」
平成22年 問3 「時効:取得時効」平成21年 問3 「時効:消滅時効」平成20年 「なし」
平成19年 「なし」
平成18年 「なし」
平成17年 問4 「時効:消滅時効」平成16年 問5 「時効:取得時効」平成15年 「なし」
平成14年 「なし」
平成13年 「なし」
平成12年 問2 「時効:消滅時効」平成11年 「なし」
平成10年 問2 「時効:取得時効」平成9年 問4 「時効:消滅時効」平成8年 「なし」
宅建試験で出題された回数
(平成8~25年で計算)
18年間で 7年出題されました